3×8=24 【くだらないことを真剣に考える】

くだらないことを真剣に考えて、どーでもいいエッセイを、意味も無く書き続ける。

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あたしだってたまにはまじめな日記を書いたりもします。
ものすごく長い上に、ちょっと書きなぐり(文章が)だけど。
七月二十一日、ロンドンにてまたもやテロがありました。

今回、あたしもニアミスでした。
ニアミスって程近かったわけでは無いので、
そんなことを口に出すのもおこがましいのですが
爆発のあった駅のうちの一つ、ウォーレストリートを
爆発が起こる数時間前にあたし達は通りました。
(あたしが住んでいたユーストンの隣の駅です)

七月七日、ロンドン同時多発テロにより地下鉄で爆発が起こったとき
Wちゃんの友達が爆発現場に居合わせたそうです。
やっとのことで学校までたどり着いたその友達は
大きな怪我はなかったものの、髪はボサボサ、全身は黒いすすで覆われ、
あまりのショックに口も聞けない状態だったとか。
また、学校の先生が血だらけでガラスの破片を体中にまとってやってきたところも
Wちゃんは見たといっていました。

幸いWちゃん自身は難を逃れられたものの (現場のすぐ近くに住んでいながら)
身近な人達のそんな悲惨な状態を目の当たりにし、恐ろしく思ったのでしょう。
もうバスや地下鉄には乗りたくないと言っていました。


そんな話を聞いたあとでも、あたしは平然とバスに乗りました。
ビニールシートで覆われ、全面的に閉鎖されている爆発現場に怯えながらも
当たり前のようにバスに乗りました。
「きっとあたしは当事者じゃないからこうしてバスに乗れるんだろうなー」と思いながら。
いまだ行方不明になっている方々の情報を求める手作りのチラシや
顔写真入りのポスターが現場付近に貼られているのを見て、胸が痛くなりました。
ロンドンに住む全ての人々がトラウマを抱えているように見えました。


それでもWちゃんはあたしを見送る為に空港まで来てくれました。
空港へ行く為の路線は七日のテロの影響でほとんどの駅が封鎖されていた為
私たちはいつもとは違う路線を使っていきました。
そうとう混むらしいから早めに出たほうが良いね、といつもより早い時間に出たのですが
それでもやっぱり地下鉄は混雑していて、
電車を二本も見送る羽目になり、三本目で半ば無理やり乗り込みました。

ユーストン駅を出て、ウォーレンストリート駅を過ぎ、
ヴィクトリア駅で乗り換えてハマースミス駅まで
そこでピカデリー線に乗り換え、ヒースロー空港まで行く。
その数時間後、ウォーレンストリート駅で爆発が起こりました。


あたし達は無事空港に到着。
長い待ち時間の後チェックインを済ませ、遅い朝ご飯を食べました。
長年住んだ街を離れるのはやっぱり淋しい。
もうちょっとゆっくりできればよかったのに。
でも、この四日間ほんとうに楽しかった。
また東京で会おうね。焼き鳥を食べに行こう。
そんなことを話しながら時間は過ぎていきました。
そしてあたしは別れを惜しみながらも出発ゲートへ。


空の旅は快適でした。
今回のキャビンクルーの方々は新人さんだったのか
いつもよりも丁寧な感じがしました。
パイロットもとってもお上手な方で
あまりに見事な着陸を見せ付けられ、思わず感動しました。


成田にて、飛行機を降りた先のコンコースでTBSが取材をしていました。
ロンドンのテロの傷跡を、旅行者に尋ねてるのかなーなんて思いながら通り過ぎました。
何の取材なのか聞いてみようかと思ったけど、
向こうも仕事なんだろうし、邪魔しちゃ悪いと思ってやめました。

そして入国審査を終え、ケータイの電源を入れると
新着メールが7件。
そのうち5件にあたしの安否を心配する内容が書かれていました。
何のことやらサッパリわからず、それでも何かがあったんだと察知して
モードでニュースサイトを調べると、それらしい見出しが目に入りました。
とたんに心配が波の様に襲ってきて、急いで税関を通過、
到着ロビーのキオスクで新聞を見ますが、それらしい記事は見当たりません。
もう一度受信メールを見ます。
父が休みで家にいるとのことなので、急いで家に電話を掛けてみました。

そして父に事件の詳細を聞きます。
ロンドンの地下鉄やバスでまた爆弾テロがあったらしい。
現場は、ハックニー、ウォーレンストリート……。
時間は日本時間の午後九時ごろ、ということはロンドンでは午後一時。
Wちゃんがあたしを見送ってそのまま地下鉄に乗り
来た時とまったく同じルートで帰ったとしたら
午後一時ごろにはウォーレンストリートを通ることになる……。


あたしが必死の形相でロンドンの地名を連呼する様子に何かを察知したのか
キオスクで買い物をしていたイギリス人の男性が声をかけてきました。

"Excuse me. Do you speak English?"
  (すみません。英語はわかりますか)
"Yeah."
  (えぇ)
"What happened?"
  (何かあったんですか)
......Dunno, ah.... There was bomb, I mean terror in London..
  (えっと、良くわからないけど…ロンドンでまた爆発が、テロがあって)
"Again? Just one?"
  (また? 一回だけ?)
"No, there were several."
  (ううん、何箇所かやられたみたい)
"Where? Tube? Do you know?"
  (場所はわかりますか? 地下鉄?)
"Ah... King's Cross, Warren Street and also a bus in Hackney."
  (えっと、キングスクロス、ウォーレンストリートと、ハックニーではバスが)
"A bus! Oh... You have a friend there."
  (バスも! まじかよ。君の友達がそこにいるかもしれないんだね)
"Yeah, I'm so worried about her."
  (そうなの。だからすごく心配で……)

心配する気持ちを口に出したせいか、
張り詰めていた気が緩んで、涙が溢れてきました。

"You should phone her now."
  (今すぐその友達に電話したほうが良いよ)
そう言ってその男の人は去っていきました。

そうだ、電話すれば良いんだ。
そういえば電話番号知ってたんだった。
ところが、電話番号を書いたメモはすぐに見つかったものの
気が動転しちゃってどうしてもイギリスの国際番号が思い出せません。
44だったかな、41だったかな…。そうだ、さっきの人に聞いてみよう。
と、辺りを見回すと、先ほどの男性もどこかへ電話をかけている様子。
イギリスへ掛けてるんだとしたら、すぐには終わらないだろう。

とりあえず掛けるだけ掛けてみよう。間違ってもいいや。
と、早速ケータイを取り出しては見たものの
今までケータイで国際電話なんて掛けたことないし
しかもすっかりパニクっちゃって、掛け方を調べることもままならず
イライライライラ……。

と、そこへ先ほどの男の人がやってきました。
"I found out, that was Oval, Shepherd's Bush, Warren Street, and Hackney."
  (わかったよ。オーヴァル、シェパーズブッシュ、ウォーレンストリートとハックニーだ)
"Warren Street..."
  (ウォーレンストリート……)
"Where does your friend live?"
  (友達はどこに住んでるの?)
"King's Cross"
  (キングスクロス)
"Then, she should be alright. Don't worry."
  (じゃぁ大丈夫だよ。心配することない)
"But she came to airport to see me off... and..."
  (でも、あたしの見送りに空港まで来たから……)
"Oh..."
  (あぁ……)
"Do you know the international number for Britain? 44 or.."
  (イギリスの国際番号ってわかる?)
"It should be 0044."
  (0044のはずだよ)
"Alright. Thanks!"
  (わかった、ありがとう)

すぐにWちゃんのケータイに掛けてみます。
電話の先からはこんな言葉が聞こえてきます。
"It is not possible to connect your call."
  (この電話は繋げることが出来ません)
なんで!?
日本から持って行ったというケータイにも掛けてみる。
「留守番電話サービスに接続します……」
つながらない。
フラットの電話にも掛けてみる。
……出ない。そう言えばあの電話壊れてるんだっけ。
同居人にも掛けてみる。
"This mobile is switched off."
  (この電話は電源が切られています)
あ、そう言えばあの人は今旅行中なんだった。
結局何度掛けても電話は繋がらないまま、
見るかどうかの保障の無いメールを送ってみました。

もしWちゃんに何かあったらあたしのせいだ。
あんなにバスが怖いって言ってたのに。
やっぱり見送りなんかいらないって言えばよかった。
お願いだから無事でいて……。

出発前、空港で食べたベーグルが美味しかったこととか
使いもしない空港案内を無理やり持たされたこととか
ロンドン市内の爆発現場で被害者に手向けられた花の山
その前で手を合わせたこととか
ここ何日間かのいろんなことを思い出して一人泣きじゃくっていたら
また、あの男の人が来てくれました。

"ダイジョーブ?"
  (大丈夫?)
"Her mobile isn't working."
  (友達のケータイ、繋がらないの)
"Oh..."
  (あぁ…)
"You know, she came to airport to see ME off.
 If something happens to her... I feel so responsible."
  (その友達ね、あたしの見送りの為に空港まで来たの。
   もしなんかあったら……。すごく責任を感じて)
"Of course you do. But look. It's... what time...
 It's almost two o'clock in London. She should be asleep.
 That's why she doesn't answer the phone."
  (そりゃそうだよ。でもさ、見てみなよ。えっと、何時だっけ?
   今…、ロンドンは夜中の二時だよ。きっと寝てるのかも
   電話に出ないのもそのせいだよ、きっと)
"But..."
  (でも……)
"Don't worry. She’s just sleeping. She'll be like..
 'What time do you think it is now! It's two!'"
  (大丈夫だって。寝てるだけだよ。今頃掛けたらきっと
   『何時だと思ってんのよ! 夜中の二時よ!』って言うかもよ)
"I hope so..."
  (そうだといいけど)
"Where you going? U-tsu-no-mi-ya? Dunno.
 Well, actually I've got to go now.
 I'm gonna take a bus. I'm going to Machida."
  (これからどこへ行くの? ウツノミヤ? 知らないなぁ。
   えっと、ボク実はもう行かなくちゃならないんだ。
   バスに乗るんだよ。町田にいくんだ)
"Alright."
  (うん、わかった)
"Just... Don't worry about that. Okay?"
  (きっと大丈夫だよ、ね)
"Yes. Thank you so much."
  (うん、ありがとう)
"Take care, bye bye!"
  (気をつけてね。バイバイ)

そういって彼が去って言った直後、
Wちゃんからメールが来ました。

あたしを見送った後、空港近くに住む友達と会っていた為
あの地下鉄には乗っていなかったとのこと。
良かった。ほんとに良かったです。
安心したらまた涙が出てきました。


しばらくして落ち着いてから。
そうだ、あの男の人にお礼を言おう。友達は無事でしたって言おう。
そう思って到着ロビーからバス乗り場へ出て行くと
ちょうど町田行きのばすが出たところでした。

せっかく親切にしてもらったのに
あたしはすっかり気が動転しててきちんと挨拶も出来なかった。
残念で仕方が無いです。
ので、この場を借りてお礼を言わせていただきます。


Dear the guy who I met at the airport Terminal 1 on 22nd July

Thank you very much indeed for the other day.
My friend was alright.
At that time, I was so panicked, as you could see,
that I couldn't say "thank you" properly,
and I really regret that.
I really appreciate your kindness.
I don't know who you are and where you are now,
but I will not forget about you and what you did on that day.
You might say "it's nothing," but it was something to me.
It was great comfort to me.
I really really thank you.

Kindest regards
Yoko


なんかラブレターみたいだけど。
なによりも、Wちゃんが無事で本当に良かったです。
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よっかたね。本当によかった。
アメリカ、そしてロンドンと
テロの標的が無作為(理由はあるだろうが)
にも思えるなか、世界中が次はどうなるかを
案じています。
このことでイギリスのトップがココのトップと
同じような間違った決断をして多くの犠牲者を
出すことのないよう祈るばかりです。

2005.07.24 09:30 URL | タラ #- [ 編集 ]

ようこさんも、Wちゃんも無事で本当に良かったね。これが原因で憎しみの連鎖がより一層強くならないことを願うばかりです。無差別に人を攻撃するのは絶対に許されることではないけれど、その原因は誰なのかは分からない。世界中の一人一人かもしれない。一人一人が少しずつの優しさを持てればいいなぁとも思う。とにかく、みなさん無事で本当に良かったですね。

2005.07.27 12:44 URL | journeyman #- [ 編集 ]

タラさん、journeymanさん、
コメントありがとうございます。ほんと嬉しいです。

ロンドン滞在中、友達のアラブ人と話してて、その人は爆発現場のすぐ近くに住んでたんで「本当に無事でよかったよー」って言ったら「今は無事だけどこの先どうなるかわからないよ」って言ってたのがなんだか無性にやるせなくて。こういう事件てその場の衝撃以上にあとあとに残る後遺症の方が大きいんじゃないかなーって思いました。この先、特定の人たちが生き難い世の中にならないよう、案じてます。

なんだか自分でなに書いてるのかわかんなくなってきた。
いまだ時差ぼけで…… (言い訳)

2005.07.27 23:43 URL | 管理人 #cVARBx7M [ 編集 ]













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